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Grayがアメリカエンジニアリングニュースレコードに掲載されました。

アメリカゼネコンのグレイ

















“ENR エンジニアリング・ニュースレコード”2007年3月号より抜粋

表紙およびカバー・ストーリー記事
グレイ建設の“Driving For Results” ...トヨタ自動車から学んだ品質改善法を取り入れた、結果を出すためのドライビング・メソッド

“信頼されている”だけでは成功には繋がらない:トヨタ自動車から学んだレッスンをバネに開花したファミリー会社の成功の秘訣

トヨタ自動車が今にも世界最大の自動車メーカーになろうとしている舞台裏に存在するのと同じ哲学が、アメリカ、ケンタッキー州レキシントン市に本拠地をおく、ファミリー会社 グレイ建設(Gray Construction) の近年の著しい発展の基盤となっている。常なる”KAIZEN( 改善)“の徹底、結果重視の総合チーム・コンセプトがこれまで250件以上に及ぶ日系プロジェクト、また500件以上のアメリカ・ヨーロッパ・韓国プロジェクト受注歴のバック・ボーンとなっている。

1972年に創始者である James Norris Gray が死去した後、残された妻のLois, 又長男の Howard、次男の Jim は、南部での日系企業の活動を目にし、これから成長していく新しいマーケットとして注目した。日本について徹底的にリサーチを実施し、1970年代及び80年代前半に東芝、日立のコントラクトをいくつかものにするに至った。しかし、同コントラクターの過去20年の目まぐるしい成長は、1986年のアメリカ、ケンタッキー州ジョージタウンにあるトヨタの自動車組立工場のプロジェクトの受注がきっかけとなった。

グレイ建設トヨタ自動車の292,000sqftのプラスチック製造棟を受注した当時、トヨタ自動車は世界第3位の自動車製造会社であった。グレイ建設は、その当時 ENR トップコントラクター400社米国ゼネコンランキングで第294位の小さな地元建設コントラクターにすぎなかった。20年後の現在、グレイ建設アメリカゼネコンランキング126位、2005年の歳入が$377.3ミリオンまでの中堅コントラクターに大成長している。トヨタとグレイ建設に共通して言えることは、両社とも、“客の意見に真摯に耳を傾ける”、また“長期に渡る信頼関係の構築に取組む姿勢を大切にしている”、という点である。

グレイ建設のマーケティング部の副社長を務める Jill Wilson 女史は、“トヨタに教えられたKAIZENにおけるレッスンのおかげで、今日のグレイ建設がある”と語る。常に改善する努力を継続して行わねば、どこにでもある単なるコモディティーとなってしまうからだという。”客に対して、常にベストのサービスを提供することを心がけているのがグレイ建設のやり方であり、又、客先に止まらずサブコントラクター、ベンダー、地域開発局等とのネットワーキング、長期にわたる信頼関係作りが”総合的チーム・コンセプト“となり、グレイ建設の原動力となっている、と“ウィルソン女史は語る。これもトヨタとの関係から得たインスピレーションだと言う。

W. Edwards Demingの連続的改善哲学 (Continuous Improvement Philosophy) の日本版である“KAIZEN”方式は今では見新しいものではない。この”KAIZEN“式哲学では、前向きな変化、品質、そしてチームワークを基盤に、人材・物材による無駄を省き、常に最善なる状態を追求していく方式であるが、これは近年発達した”デザイン・ビルド(設計施工)デリバリー方式“にも通じていることである。グレイ建設は、当時デザイン・ビルド(設計施工)方式へ最初に足を踏入れた、最初の中堅コントラクターの一社であった、とグレイの元副社長Alan Fowler氏は語る。グレイ建設はその後デザイン・ビルド(設計施工)方式の効率最善化を図るため、社内に設計・エンジニアリング機能を設け、シビル、メカ・エレキ・プロセスの分野のみ外注し、少数のトップクラス・サブコントラクターとその後の末永いコントラクト関係を構築した。
又その後は概念的設計また設計監督機能も加えることにより、デザイン・ビルド(設計施工)の更なるスムーズ化を実行した。また全体における品質の向上のため、サブコントラクター教育にも事欠かない。人材においても、過程においても、”まあこれでいいだろう”では満足できない。完全なるクオリティーの追求が必要なのだ。 グレイ建設のフォーカスとして、自動車、倉庫・配送センター、一般製造業、と日系・韓国系プロジェクトの4つのマーケットが挙げられるが、以上の全てのエリアで効果的なデザイン・ビルド(設計施工)方式の導入に力を入れている。それぞれマーケットは違っていても、”KAIZEN”方式を利用したデリバリー哲学はどれも類似している、とグレイ社長、CEOである Jim Gray 氏は語る。
”又、自動車組立と建物建設の基本思想、デリバリー・プロセスも大変類似している。常に、如何にして、何を目的として、事を成遂げるか、更なる品質の向上のために出来ることは何か、を念頭に置いておく。これらを常に自問自答しながら、設計および据付作業に取組むことで連続的な改善を成し得ることができる、と言う。“建設プロジェクトの如何なるプロセスにおいても、KAIZENスピリットによる現状の更なる見直しを怠らない。目標は、トヨタが目指すように、如何なるプロジェクト環境においても顧客の満足のいくプロジェクト・デリバリー・システムを提供することである、と言う。
又、Jim Gray 社長は、従業員育成の最重要要素として、常に適切な師範となる“Sensei”を社員に与えることを謳っている。人間関係を大切にするグレイ建設では、最高のSenseiがあって最高の人材が育つ、と内部人材育成教育にも力を入れている。またグレイ建設の安全に関するプログラムは、トヨタから導入したもので、常に安全で清潔な職場をモットーに、最高の従業員・生産性・顧客満足度を自負している。

1997年にダウンタウンの空きデパートを改造したという事務所も大変ユニークである。米国では珍しい、オープン・オフィス方式を取り入れており、社内チーム間でのコミュニケーションの円滑化を図っている。”昔、父が当時の事務所で仕事上の問題点をチームに話しているのを、幼い頃横で聞いていた。そこには常に会話があった。個室の多い事務所では会話の機会が大変限られてしまう。常に他から見て聞いて学習することを促進するために、意図的にオフィスはオープンにしている。

グレイ建設ではゼロ・パンチリスト哲学も導入した。ISO9001の品質認可を1999年に取得、2006年5月にはトヨタ北米プロダクション・サービスセンター向けに最初のデザイン・ビルド シルバーLEED認可も取得している。

“90年台には先走りすぎて噛み合わなかったことが、近日になって判り始めた。”と Jim Gray は続ける。”あの頃は、早く速く、とプッシュしすぎていた。人と技術の経験を経て、ようやく文化を超えたビジネスのあり方が判ってきた。どうしたら海外からの会社をこの米国の地で暖かく迎えられるか、感触として判るようになり、又その理解の確認に努めてきた。

日本式の”問題点は必ずライン上で解決“する姿勢も取り入れてきた。グレイ建設の設計部門では、19ポイント品質チェックリスと呼ぶプロジェクト重要項目の確認作業を実施している。また、図面作成の過程で最低3回はチーム・レビューが実施され、グループ全体で設計図面上に落度が無いか、改善の余地は無いかの確認を図る方式を取り入れている。

トヨタのプロジェクトを7件、トヨタ関係のプロジェクトを45件受注したグレイ建設では、マーケティング、デリバリー・システムはまだ向上し得る、と前向きな努力を怠らない。CFOであるScott Parker氏は、“グレイ建設では、ベンダー・顧客との信頼関係、工期・予算の絶対遵守、いかなるプロジェクトでも最高品質の提供、等の基本理念は個人の胸に刻まれている、と言う。”米国建設プロジェクトの前期段階で、品質とパフォーマンスにおける理解と、そのコスト・ベネフィットとの関係に渡る教育を、今後客側に展開していくことがこれからの課題である、と語った。




Gray Construction is on the cover of the March 5th issue of Engineering News-Record. (英語版)

 

 

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